2009年度第12回日本自費出版文化賞の結果(2009年6月2日)


■第12回日本自費出版文化賞の部門別応募数は以下の通りです。

部門 応募点数
・地域文化部門  82
・個人誌部門  167
・文芸A部門  232
・文芸B部門  44
・研究・評論  83
・グラフィック  47
 合計   655


最終選考結果(部門賞・大賞)
入選作品(第2次選考の結果)
一次選考突破作品


●最終選考結果(部門賞・大賞)
【↑】


賞名 書名 著者名 著者住所 発行者
大賞 シベリアに逝きし人々を刻す 村山常雄 新潟県糸魚川市 村山常雄
地域文化部門賞 一九四五年 夏 はりま―相生事件を追う― こちまさこ 兵庫県姫路市 北星社
個人誌部門賞 その夏、乳房を切る―めぐり逢った死生観 篠原敦子 群馬県前橋市 創栄出版
文芸A部門賞 スエ女覚書き 深田俊祐 福岡県北九州市 梓書院
文芸B部門賞 竹の花 赤松菊男 千葉県山武郡 創栄出版
研究・評論部門賞 オランダ商館日誌と今村英生・今村明生─日蘭貿易や洋学の発展に貢献した阿蘭陀通詞の記録─ 今村英明 東京都世田谷区 ブックコム
グラフィック部門賞 半鵞洞 ─吉本政幸創作木版画集─ 吉本政幸 広島県広島市 半鵞洞
特別賞 詩集 蜘蛛の行い 冨永 滋 京都府京都市 新星座
特別賞 中電さん、さようなら─山口県祝島原発とたたかう島人の記録─ 那須圭子 山口県光市 創史社

●最終選考経過(発表会場でのコメント 文責:日本自費出版ネットワーク)

第12回日本自費出版文化賞(日本グラフィックサービス工業会主催、日本自費出版ネットワーク主管)の最終選考会は2009年6月2日に東京都内で開かれ、大賞1点、部門賞6点、特別賞2点が選出されました。

第12回日本自費出版文化賞・大賞『シベリアに逝きし人々を刻す』 村山常雄著

今回の自費出版文化賞・大賞に選ばれたのは研究評論部門の『シベリアに逝きし人々を刻す』(村山常雄著・新潟県糸魚川市)。審査にあたった色川委員長は「シベリアの864の収容所に抑留され、亡くなった人々の名前を、ひとりひとり丹念に調べ最終的に46297人の記録をまとめあげた。ロシア語からの変換などの困難を大変な努力で克服し、数十年の労苦で刻んだ、日本の出版の歴史に残るような記念碑的な作品だと思う。自費出版でしか発行できない種類の記録なので、この文化賞の意義も強く感じさせてくれる」とその選考理由を述べました。

[紹介された記事(朝日)]
[紹介された記事(読売)]
[紹介された記事(毎日)]

各部門賞は6点、特別賞は2点。以下の講評が述べられました。

■地域文化部門『一九四五年 夏 はりま―相生事件を追う―』 こちまさこ著 

「終戦直後に兵庫県のはりま造船でおきた中国人労働者の殺害事件。地元でも長くタブーとされ、闇の中におかれていたこの事件を80歳の女性が調べ、真相をおっていく。長い年月をかけて書かれた優れたルポルタージュだと思う」(鎌田委員)

■個人誌部門『その夏、乳房を切る―めぐり逢った死生観』 篠原敦子著

「乳ガンと闘いながら、さらに自分の生活も全力で生きる作者の強い姿勢が印象的。従来の闘病記という範疇を超えた女性の前向きな生き方を描いていることに共感をいだく」(土橋委員)

■文芸A部門『スエ女覚書き』 深田俊祐著

「明治末年に広島で生まれ、ありとあらゆる苦労をして生涯働き続きた作者自身の母親をモデルにした小説。そこにあるのは人間の生活のもっとも基本的な姿で、これが、こんなに書かなくてもいいではないかというくらい、これでもかこれでもかというように書かれている。心血を注いで、言葉では言いあらわせない真実を描こうとしたことがわかる。文学として非常に力のある作品」(中山委員)

■文芸B部門『竹の花』 赤松菊男著 

「句集に短歌、詩も少しあるという変則的な作品だが、“生と死”という作品全体を流れるテーマは一貫している。若いときからガンでの死の直前までの50年にわたる作品の集大成。人間の死に対する深い視点を感じる」(秋林委員)

■研究評論部門『オランダ商館日誌と今村英生・今村明生─日蘭貿易や洋学の発展に貢献した阿蘭陀通詞の記録』 今村英明著

「江戸時代の目付通詞であった今村家の子孫である著者が先祖2人のオランダ商館日誌を翻訳した記録。全文でなく、重要な部分だけの抽出だが、歴史的にも第一級の史料だ。江戸時代の貿易がオランダだけでなく、ヨーロッパ各国、アジア各地域におよんでいたことがわかる。翻訳もすぐれている」(色川委員長)

■グラフィック部門『半鵞洞 ─吉本政幸創作木版画集─』 吉本政幸著

「版画作家として有名な方のようだが、この本のために摺下ろした作品が多く、隅々まで趣味に徹した感覚がよくわかる。個性があふれていて、絵ばかりでなく、巻末の文章も率直で、このひとは本当に版画がすきなんだなと実感できる」(中山委員)

■特別賞『詩集 蜘蛛の行い』 冨永滋著

「非常に質の高い現代詩。とりつきにくい独特の言葉づかいがあふれていて、その表現は、ときに厳しく、ときにユーモラスであるが、最後まで緊張がゆるむことがない。和綴じという製本方法も内容にあっていると思う」(中山委員)

■特別賞『中電さん、さようなら─山口県祝島原発とたたかう島人の記録─』 那須圭子著

「中国電力の原子力発電所事業と闘い続けてきた祝島をテーマに、地元山口県の主婦がまとめあげた写真集。島での人々の暮しと作者の願いが伝わってくるような記録。写真自体もよい」(中山委員)

表彰式は7月18日(土)に、東京・千代田区のアルカディア市ヶ谷で開催される日本自費出版フェスティバルで行われま す。


入選作品(第2次選考の結果)
【↑】

第12回日本自費出版文化賞の第2次選考会は2009年4月11日、東京都内で開かれ、入選作品60点が選出されました。各部門の入賞作品は次の通りです。

分類 書名 著者名 著者住所 発行者
地域文化 鳥取県の疾病史覚書─明治・大正時代─ 森 納 鳥取県鳥取市 森 納
鶴見花月園秘話
東洋一の遊園地を創った平岡廣高
齋藤美枝 神奈川県横浜市 鶴見区文化協会
対馬の文学案内 山川和男 香川県高松市 文芸社
焼畑研究雑考
─赤石山地のかっての焼畑をめぐって─
松本繁樹 静岡県静岡市 松本繁樹
ほっかいどうの狛犬 丸浦正弘 北海道札幌市 中西出版
市民の写真集 八王子の今昔 「市民の写真集 八王子の今昔」刊行会 東京都八王子市 揺籃社
ありがとう新井町見聞記
─100年後のふるさとへのおくりもの─
星野雅範 群馬県太田市 ブレーン・オフィス
個人誌 医者がガンになった 川崎平八郎 宮城県仙台市 新風舎
今なお、屍とともに生きる
─沖縄戦 嘉数高地から糸数アブチラガマへ
日比野勝廣 愛知県北名古屋市 夢企画 大地
幸恵のおしゃべり知恵袋 池田幸恵 東京都板橋区 池田幸恵料理教室
はぐれひよどり 母が倒れた夏 中山とし子 奈良県奈良市 HBギャラリー
東海道宿場ものがたり 岩井是道 東京都世田谷区 創英社
原付バイク・スケッチの旅
─還暦からの楽しみ 日本全国2万キロ紀行─
石井義啓 兵庫県神戸市 友月書房
その夏、乳房を切る
―めぐり逢った死生観
篠原敦子 群馬県前橋市 創栄出版
重すぎた無窮花 渡辺登志子 奈良県北葛城郡 文芸社
遺稿集 父 野口一小伝他 野口正晴 福岡県遠賀郡 野口眞弓
「ハムレット」が好きな人のための音楽 川島由夫 東京都千代田区 新生出版
ぼくたちは なんでも遊びにした。 正見 満 大阪府大阪市 アド・ポポロ
はるかなりシベリア 澁谷謙二郎 宮城県宮城郡 澁谷哲夫ほか
文芸A ぼくが『クオレ』を読んだころ 松本悦治 群馬県前橋市 鶺鴒社
生命のキャッチボール
─難病に生きる40のメッセージ─
社会福祉法人ありのまま舎 宮城県仙台市
帽子をかぶったとうもろこし 伊藤典子 長野県飯田市 高遠書房
近江漫遊 菊池光治 滋賀県長浜市 菊池光治
夢と自信 三沢 朋花 山形県山形市 ケーブルテレビ山形
小さな渦のさざめき 猪俣二平 神奈川県鎌倉市 猪俣二平
詩集 灯り消すとき 岡川祐美子 鳥取県八頭郡 幻冬舎ルネッサンス
石を蹴る 大倉 元 奈良県大和郡山市 澪標
スクールゾーン 竹内紘子 徳島県徳島市 らくだ出版
文芸B 「光ほのかに」「断章」 前田泰司 静岡県浜松市 前田英作
ぼやき短歌「なんでこうなんのん
─車椅子の目から見た世界─
尼崎ゆら 兵庫県芦屋市 文芸社ビジュアルアート
進化論に則り 横瀬美年子 愛知県名古屋市 本阿弥書店(本阿弥秀雄)
歌集 宝鐸草 筧和子 東京都八王子市 揺籃社
句集 シリウス かじもと浩章 和歌山県和歌山市 かじもと浩章
句文集 桜鯛 行廣すみ女 広島県福山市 安楽城出版
歌集 ゆき 松塚ゆき 京都府木津川市 松﨑幹武
二人句集 杣山 斉藤和夫、斉藤カネコ 滋賀県大津市 斉藤カネコ
句集 緑玉 ─ゑめらるど─ 池田 岬 埼玉県狭山市 日月想
研究・評論 コーヒーは生鮮食品だ!
一杯のコーヒーから地球が見える
一宮唯雄 大阪府大阪市 NPO法人一杯のコーヒーから地球が見える
シベリアに逝きし人々を刻す 村山常雄 新潟県糸魚川市 村山常雄
数学教師が書いた邪馬台国 岡本一郎 兵庫県三木市 新風書房
インドの細密画を訪ねて(上・下) 浅原昌明 大阪府箕面市 新風舎
奇蹟の泥炭湿原 中池見湿地 斎藤愼一郎 神奈川県大和市 斎藤好子
新・吾妻鏡 ─足利源氏の視点から─ 松﨑洋二 栃木県足利市 あさの書房
イザベラ・バード「日本の未踏路」完全補遺 イザベラ・バード(著)、高畑美代子(訳・解説) 青森県青森市 高畑美代子
長南氏の研究 
─祖先名簿編、系図編、資料編─
─増補縮刷版─
中村就一 千葉県柏市 中村就一
グラフィック 南極はパラダイス
-108日間地球一周の船旅・スケッチブック-
香川 進 愛媛県松山市 香川 進
陽だまりの想い 荒木富佐子 兵庫県豊岡市 荒木富佐子
クリスマスイブのブー すずキ よしひろ 兵庫県淡路市 文芸社
日本海の宝石箱 浦富海岸 岡垣 彰 鳥取県鳥取市 今井書店鳥取出版企画室
琵琶湖夢幻 下野儀隆 福井県小浜市 下野儀隆
万葉カメラ紀行
─日本の詩歌のふるさとを訪ねる─
石川正明 大阪府大阪市 竹林館
じゅりなのうろこ 上村しづ 高知県南国市 リーブル出版
祈りの彫刻
リーメンシュナイダーを歩く
福田 緑 東京都清瀬市 丸善プラネット

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