2023.12.13 ~ 2026.12.31

日本自費出版文化賞 「色川大吉賞」について

日本自費出版文化賞 「色川大吉賞」について (2023年11月)

1)趣旨
 歴史家の色川大吉さんが亡くなられて2年が経ちました。色川さんは、自費出版文化を日本の重要な文化として認識し、生み出された数々の作品を、かけがえのない歴史的遺産とされました。色川さんが自費出版の普及に尽力されたことを銘記し、日本自費出版文化賞に、あらたに「色川大吉賞」を設けることといたしました。

 歴史家としての色川さんは、「民衆史研究」の提唱者として知られています。日常を生きる普通の人びとの活動こそが歴史の奔流であるという歴史観です。そのとき、一人ひとりの体験と証言を大切にするという観点から、「自分史」という概念を生みだされました。功成り名をとげたという高みからではなく、地域や職場、家族といった日常のなかで、歴史を生き抜いてきた人びとが、その活動と思いを綴ることを強く薦められました。「自分史」こそは、「民衆史研究」の貴重な資料であり、私たちが歴史に参加していることの確認である、と強く訴えました。

 ひとりひとりが、自らの思いをみずからの手で書き、思いある人びとに読んでもらうという営みであり、自費出版の精神とつらなることになります。こうした色川さんの思いにふさわしい作品をあらたに選定したいと願い、「色川大吉賞」を設定することにいたしました。

2)選考方法
 色川先生の研究領域に重なる「地域文化部門」(鎌田委員長)「個人誌部門」(成田委員)「研究・評論部門」(佐藤委員)から候補作品を推薦していただき、事前に担当の3人の選考委員に確認していただき、ふさわしい作品を選ぶ。なお、他部門から推薦が出ることも妨げない。

3)賞 金
賞金10万円とする。色川先生が残したお金から、毎年10万円支給される。