| 書名: |
江戸の金本位制と水野家の幕閣たち |
| 著(訳)者: |
水野 忠尚 |
| 発行社(者): |
東京図書出版 (発行発売 株式会社 リフレ出版) |
| 印刷所名: |
株式会社 ブレイン |
| サイズ: |
四六判 |
| ページ数: |
160 |
| 発行年月: |
2020(令和2)年09月16日 |
| 分類: |
(06)研究・評論部門 |
| 定価(本体): |
定価(本体)1400円 |
<内容紹介>
江戸時代は米を基本とする社会であった。しかし戦の無い世になると米は増産されていったが、通貨は増えず、その結果米価は低下し財政は悪化していった。当時、関西は銀遣いといわれ、目方で使う銀貨は貫・匁表示の十進法で、関東は金遣いといわれ、額面で通用する金貨で、両・分・朱の四進法であった。二分された通貨の世界は、金銀の相場変動と両替の手間から、十七世紀半ばから次第に金遣いの世界に収斂していった。
そこには田沼時代の勘定奉行、川井久敬の策を取上げた水野忠友に始まる水野家一族三代にわたる老中たちの貨幣政策があった。即ち、財政赤字解消策として金の含有量を下げ、また新種の銀貨を発行して通貨量を増加させた。新銀貨には小判との兌換を認める文言が記され、銀貨を補助貨幣とする金貨の体系にまとまっていった。日本は十九世紀初めには、英国同様、世界に先駆けて金本制に移行していた。本書はこれを推進した水野家幕閣たちの働きに光を当てるものである。