第17回日本自費出版文化賞の最終結果
(2014年9月4日)

第17回日本自費出版文化賞 日程

以下の日程で行われました。
募集2013年11月~2014年3月
一次選考2014年4月~6月
二次選考2014年7月5日(土)
最終選考2014年9月3日(水) 東京
表彰式2014年10月11日(土) 東京・アルカディア市ヶ谷

第17回日本自費出版文化賞 応募総数・部門別応募数

応募総数は601点。部門別応募数は以下の通りです。
部門応募点数
・地域文化部門064
・個人誌部門093
・小説部門119
・エッセー部門102
・詩歌部門076
・研究・評論部門073
・グラフィック部門074
合計601

第17回日本自費出版文化賞 選考の経緯

3月末の締め切りを受け、5月からの専門委員による一次選考は、6月一杯行われ、約250点の作品を選出しました。これを受けて、7月5日の二次審査には専門選考委員12名が参加し審査が行われました。その結果、合計72点の入選候補作品が選出されました。
この入選候補作品の中から9月3日(水)に行われる最終選考会で大賞1点、部門賞6点、特別賞5点(協賛各社賞など)が選出されました。残りの入選59点も正式に決まりました。

第17回日本自費出版文化賞 最終選考結果

第17回日本自費出版文化賞(日本グラフィックサービス工業会主催、日本自費出版ネットワーク主管)の最終選考会は2013年9月3日に東京都内で開かれ、大賞1点、部門賞7点、特別賞5点(協賛各社賞など)が選出されました。表彰式は2014年10月11日(土)に東京都・千代田区のアルカディア市ヶ谷で開かれます。(講評は発表会での要旨)

 大賞

  • 今回の自費出版文化賞・大賞に選ばれたのは敦澤紀恵子さん(北海道)の獅子頭書票集(グラフィック部門)

    著者は、書票(蔵書票)いう日本の文化・文化風習を後世に残そうという気持ちで製作したという。特に獅子頭に絞って日本各地の地祭りなどから取材し、作成されたこの書籍自体がそうした思いに満ちている。まさに自費出版ならでは書籍。

  •  部門賞は各部門1点

  • 地域文化部門賞は『寿都五十話 ニシン・鉄道・鉱山そして人々の記憶』(山本竜也さん)

    ニシン漁、炭鉱など北海道の典型的な産業が盛衰を繰り返してきた寿都の町の歴史を在住の古老から聞き取り、たんねんにまとめた記録集。膨大な資料であり、民族的価値も高い。


  • 個人誌部門賞は『足跡- 小股千佐/平林豊子の思い出と仕事』(小股憲明・小股小枝さん)

    介護記録や本人の仕事も含めた日々の思い出の集大成。ボリュームもあり、自費出版でなければできない仕事で、多くの人の共感を呼ぶだろう。


  • 小説部門賞は『律子の舟ー新潟水俣病短編小説Ⅰ-』(新村苑子さん)

    新潟水俣病が地域の家族、友人の人間関係を破壊していく過程をテーマとして描いた短編集。作品や登場人物が相互につながっており、全体がひとつの世界を形成している。登場する人々の苦しみ、やさしさが伝わってくる。


  • エッセー部門賞は該当なしでした。

  • 詩歌部門賞は『あらおしゅんすけ詩集「安達太良のあおい空」-3.11の記録別冊付録「福島からの手紙」』(荒尾駿介さん)

    福島原発の事故とその被害に対する強い抗議の意思が全編に満ちている詩集。わかりやすい言葉でその強烈な思いが伝わってくる。


  • 研究評論部門賞は『論集 代官頭大久保長安の研究』(村上 直さん)

    石見銀山、佐渡銀山などの開発で名高い大久保長安は、代官として八王子の民政を担い、発展に尽くしたが、徳川時代初期に一族ともに抹殺される。その人物研究をまとめた論文集。古い記録ではあるが、しっかりした学術書。


  • グラフィック部門賞は『宮野浦渡船場-白畑晋 写真集』(白畑 晋さん)

    歴史ある渡船場の記録。1958年からの古写真を基本にしているが、当時の社会構成や民俗、生活の様子がたんたんと写し出されている。

  •  特別賞は6点

  • 『自家用茶の民俗』(谷阪智佳子さん)

    茶道などとは違った、生活の一部としての日本茶の利用のしかたを全国さまざまな事例で研究した記録。生活に密着した形のさまざまな飲み方など、貴重な民族記録である。


  • 『両親四人 看送りの記-父母からの最期の贈りもの-』(長濱晴子・直志)。

    介護とケアの専門家が自分の両親4人を見送るまでの生活の記録。日常のひとこまひとこまが的確に鋭くとらえらえている。


  • 『小説くじら学校』(小林甚三さん)

    新潟県での実話をもとにした小説。地元行政や政治の圧迫のなかで、小学校を守ろうとした住民たちの苦闘が読む者のこころに伝わってくる。


  • 『シベリヤ抑留 こぼれ話』(永田 潔さん)

    自分が経験した長期間のシベリヤ抑留体験を発表したエッセーを学校の後輩や関係者がまとめたもの。悲惨であった抑留体験であるが、全体の基調は明るい。一方的でない見方が可能になる作品。


  • 『半分』(玉木 祐さん)

    半分の俳句は本人(妻)、半分の挿絵が夫という共同作業の形態をとっている。味わいのある現代俳句集。


  • 『19世紀パリのサロン・コンサート-音楽のある社交空間のエレガンス-』(福田公子さん)

    近代音楽は市民階級の公開演奏会から生まれたというのが主流だが、19世紀のパリの貴族の家庭でのサロンコンサートからも多くの音楽と音楽家が生まれ、大きな影響を及ばしていることを当時の資料をもとにまとめた労作。

  • 第17回日本自費出版文化賞 大賞作品

    部門 書名 著者 著者住所 発行者
    (07)グラフィック 獅子頭書票集 敦澤紀恵子 北海道 白澤 道夫

    第17回日本自費出版文化賞 部門入賞作品

    部門 書名 著者 著者住所 発行者
    (01)地域文化 寿都五十話 ニシン・鉄道・鉱山そして人々の記憶 山本竜也 北海道 書肆山住
    (02)個人誌 足跡- 小股千佐/平林豊子の思い出と仕事 小股憲明・小股小枝 大阪府 大阪公立大学共同出版会(OMUP)
    (03)小説 律子の舟ー新潟水俣病短編小説Ⅰ- 新村苑子 新潟県 玄文社
    (05)詩歌 あらおしゅんすけ詩集「安達太良のあおい空」-3.11の記録別冊付録「福島からの手紙」 荒尾駿介 福島県 山猫軒書房(憲法9条プロジェクト)
    (06)研究・評論 論集 代官頭大久保長安の研究 村上 直 神奈川県 揺籃社
    (07)グラフィック 宮野浦渡船場-白畑晋 写真集 白畑 晋 東京都 東北出版企画

    第17回日本自費出版文化賞 特別賞作品

    部門 書名 著者 著者住所 発行者
    (01)地域文化 自家用茶の民俗 谷阪智佳子 奈良県 大河書房
    (02)個人誌 両親四人 看送りの記-父母からの最期の贈りもの- 長濱晴子 直志 東京都 ㈱文藝春秋企画出版部
    (03)小説 小説くじら学校 小林甚三 新潟県 株式会社ファーストワン
    (04)エッセー シベリヤ抑留 こぼれ話 永田 潔 岡山県 花田 裕正
    (05)詩歌 半分 玉木 祐 東京都 揺籃社
    (06)研究・評論 19世紀パリのサロン・コンサート-音楽のある社交空間のエレガンス- 福田公子 兵庫県 北星社

    第17回日本自費出版文化賞 入選作品

    部門 書名 著者 著者住所 発行者
    (01)地域文化 親鸞 越後の風景 内藤 章 新潟県 考古堂書店
    (01)地域文化 天草河内浦キリシタン史 -イエスズ会宣教師記録を基に - 玉木 讓 熊本県 新人物往来社
    (01)地域文化 よみがえった塩と染 -昔人に成りきっての復元挑戦記 - 金子 晋 大阪府 ㈱アド・ポポロ
    (01)地域文化 信州富士見 白林荘 日達 良文 神奈川県 日達 良文
    (01)地域文化 さらば・・えぞ地 -松本十郎伝 - 北国 諒星 北海道 北海道 出版企画センター
    (01)地域文化 滅びゆく水の都江戸・東京 -甦るか水路と橋 - 岩井 是道 東京都 ㈱之潮(コレジオ)
    (01)地域文化 若狭の翁と猿楽能 山田 雄造 福井県 風詠社
    (01)地域文化 おひさまとかまど 中野 晃治 徳島県 かみかつ時間編集室
    (02)個人誌 親と子の自由研究  -家の近くにこんな生き物!?  - 太田 和良 和歌山県 東方出版㈱
    (02)個人誌 父祖たちの風景 上杉 朋史 北海道 ㈱響文社
    (02)個人誌 歩°っ歩° -元機関士・運転士のコラム - 大崎 和男 北海道 大崎ミュージアム
    (02)個人誌 草原の国から モンゴルの990日 森川 郁子 京都府 北斗書房
    (02)個人誌 天津租界の思い出 豊田 勢子 東京都 株式会社文芸社
    (02)個人誌 ネバネバネバーギブアップ Mr.おくら 広島県 リーブル出版
    (02)個人誌 笑顔のちから -小児がん・膵芽腫を吹き飛ばせ!! - 加藤 可奈 愛知県 ㈱日本文学館
    (02)個人誌 なでしこアメリカに咲く ケイ・タケヤマ・デリーナ 東京都 朝日新聞出版
    (03)小説 この身北の原野に朽ちるとも 十勝野開拓の祖・依田勉三物語 福永慈二 東京都台東区松が谷4-17-2 株式会社日本文学館
    (03)小説 その日から 子供の戦争・戦後体験記 寺井 稔 株式会社日本文学館
    (03)小説 曼珠沙華 -現世をあの世へつなぐ彼岸花 - 巌 晋 埼玉県 明日香出版社
    (03)小説 一の瀬 飯塚 洋子 群馬県 あさを社
    (03)小説 軽井沢とサンティアゴ 齋藤 隆 兵庫県 風詠社
    (03)小説 波の彼方 -フランシスコ・ザビエル伝 - 中山 啓一朗 鹿児島県 ㈱文芸社
    (03)小説 皓月  皇極・斉明天皇物語第1部 梅前 佐紀子 東京都 幻冬舎ルネッサンス
    (03)小説 大羽 崇之 作品集 -WorksOba Takashi1940~2010 - 大羽 崇之 福岡県 梓 書院
    (03)小説 実話小説 北のふるさと -墳墓の地、北方領土よ返れ! - 河辺 リツ 東京都 創栄出版㈱
    (04)エッセー ずいひつ神髄 -The Essence of An Essay - 榎並 掬水 広島県 北の杜編集工房
    (04)エッセー 消えやらぬ道 赤松 愛子 兵庫県 ㈱文藝春秋企画出版部
    (04)エッセー まいらぶ すとぉりぃ -私、生きていてよかった - 上森 恵美 大阪府 ㈱文芸社
    (04)エッセー きもの宣言 茨木國夫 熊本県 和の國
    (04)エッセー 雲をつかんだおじさん―映画道~白磁の人~の歩みと在日コリアンの志(こころ) 李春浩 長野県 信濃毎日新聞社
    (04)エッセー 白髪と潮風 -七十歳のヨット挑戦譚 - 前川 久次 神奈川県 幻冬舎ルネッサンス
    (04)エッセー あの日 鹿沼児童6人クレーン車死亡事故 遺族の想い 伊原 高弘 栃木県 下野新聞社
    (04)エッセー ぼくの宝は足と友 渡利 真 大阪府 ㈱編集工房ノア
    (04)エッセー ここにいるから -めぐり愛つむいで - 川谷 清一 宮城県 ㈱星湖舎
    (04)エッセー 川崎の大地に生きる植物 -いのちの不思議と人とのかかわり - 高橋 英 神奈川県 社団法人 農山漁村文化協会
    (05)詩歌部門 句集 橋渡るとは 淺井 ひと詩 愛知県 近未来社
    (05)詩歌部門 歌集 蒼き風 神代 愛彦 北海道 神代 愛彦
    (05)詩歌部門 八朔の風 -小沢千恵 詩集 - 小沢 千恵 神奈川県 志賀 英夫
    (05)詩歌部門 武西 良和詩集 岬 武西 良和 和歌山県 ㈱コールサック社
    (05)詩歌部門 私の耳は海  -波の音がいつも聞こえる - 古寺 蛙鳴く 千葉県 ㈱文芸社ビジュアルアート
    (05)詩歌部門 『おもむくままに スペイン短歌紀行』 著者 中島 孝夫 神奈川県 株式会社パレア
    (05)詩歌部門 「いもむし」 遺稿集 鈴木 阿衣子 東京都 鈴木 龍照
    (05)詩歌部門 艶笑唄 -地方に残る生と性の労働歌 - 水木 亮 山梨県 窓社
    (06)研究・評論 日本に碩学がいたころ -丈高く柄の大きな学問のために - 宇田川 眞人 千葉県 三恵社
    (06)研究・評論 ツヴァイク日記 1912-1940 藤原 和夫 (翻訳) 東京都 東洋出版㈱
    (06)研究・評論 渡満とは何だったのか -東京都満州開拓民の記録 - 高橋 健男 新潟県 ゆまに書房
    (06)研究・評論 アマテラスの首飾り 伊藤 通子 滋賀県 幻冬舎ルネッサンス
    (06)研究・評論 もう一つの強制連行 謎の農耕勤務隊 -足元からの検証 - 雨宮 剛 東京都 雨宮 剛
    (06)研究・評論 縁を育む 高月 波子  内田 郁子 大阪府 涸沢 純平 編集工房ノア
    (06)研究・評論 敗軍の将、輝く -榎本武秋揚”生きざま”の検証 - 望田 武司 北海道 中西出版
    (06)研究・評論 新考察「銀河鉄道の夜」誕生の舞台 -物語の舞台が矢巾・南昌山である二十考察 - 松本 隆 岩手県 (有)ツーワンライフ
    (07)グラフィック 私の記憶画 「描き残したい昭和」 新見 睦 神奈川県 工房 にじのかけはし
    (07)グラフィック 泣いてもいいよ たまねぎが心にしみた -私の在宅介護日記 - 澤田石 司 埼玉県 新風舎
    (07)グラフィック FACE Julia 千葉県 パレード(ピープレス)
    (07)グラフィック 終着駅のある風景 ー水彩スケッチ旅物語 - 亀崎 敏郎 愛知県 ㈱日貿出版社
    (07)グラフィック HIRAODAI-国定公園 平尾台- 本田 茂 福岡県 本田 茂
    (07)グラフィック 田平線 藤原 次郎 大阪府 北星社
    (07)グラフィック 川辺川・球磨川流域の山翡翠 新庄俊郎 東京都 エールプランニング
    (07)グラフィック いのちのおもさ 小林尚美 みつたけともみ 大分県 風の音舎

    画面トップへ

    Copyright © NPO法人日本自費出版ネットワーク ALL Rights Reserved.